青への旅路

様々な事を語ったり、ちょっとした旅をしていた記録を残したいと考えて作ったブログです

オブラディン号の乗員乗客について語ってみました Part3(3of12 12~17)

この記事にはReturn of the Obra Dinnのとても重大なネタバレが含まれます。このページの閲覧は本編をプレイしてクリアしてからを推奨します。

動画で見て知っているという方もいらっしゃるでしょうが、動画で見るのとまた違ってくるので是非本編をやってみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オブラディン号の乗客乗員を語ってみました、第3回目です。

何人かは既に書いていたりするのですが、全員を書いて見たのは初めてです。プレイして数ヶ月思ったことを残しておきたくなったためです。

あくまでも私の独断と偏見によるものです。考察内容諸々に関しましては、他の考察を見て納得した物を取り入れそこに更に自分なりに解釈した物を入れたという、ぶっちゃければパクりと取られそうな面もあるのでご了承ください。

勿論、ネタバレが含まれるので繰り返しますがここから先は本編をクリアしてからの閲覧を強く推奨します。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クッションを置きました。ここから先にネタバレが含まれていますので、ご了承ください。


ここからが本編です。長いので何編かに別れていますし、あまりにも長くなりそうなので立ち位置ごとに分けてみました。
かなり長いですが読んでいただければ幸いです。

 

 

12 料理人 トーマス・セフトン

プレイした人の殆どが「フライの人」として語る方のトーマスです。登場シーンで「晩飯はフライだぜ?」と

この点、英語ではどういう言い回しなのかが気になってwikiを見たら″solid meal″という言葉が出てきて意味を調べたら「食べ応えのある食事」と出てきて、当時の船の上での食事状況が伺えていかに過酷であったのかというのを強く感じました……。1日のメニューが乾パンのようなビスケットと、えんどう豆のスープと干し肉だけとかもあったそうです。それを考えるとフライはかなり豪華なメニューになるので、魚のような人魚を見てああ言ったのは久しぶりに美味しいものが食べられるとか、何よりもシェフとしての腕を奮える喜びゆえの言葉だったのでしょうね。

5章でセフトンが亡くなってから、司厨手はいたでしょうが料理人がいなくなって、食事事情が悪くなったかもしれないという文も見ました。娯楽もなくきつい仕事の船の上で、食事が数少ない楽しみであったでしょうし、船員の士気にも影響したでしょう。私は食べるのが好きだから、なおのこと食の楽しみを奪われた辛さがわかります。

5勝その2回りの台詞から明るい人だった?との推察もあり、フライのやりとりやその後の貝殻に興味を持って近づいた辺り、船の中でもムードメーカー的な所のある人だったのかとも思われます。だからこそ、反乱以降で空気の悪かった船上を自分の料理で何とかしたかったのかもしれません。

このような状況ではなければきっと、料理人としてその腕を思う存分に振るっていた事でしょう。向こうで沢山、多くの船員達に料理を振る舞っていて欲しいですね。

 

13 家畜番 エーミール・オファレル

士官候補生達との2章その3がとても印象的な人です。牛を殺している時に吐いてしまったチャールズに対して「靴を汚すなよ」と言った一方で、まだ若い士官候補生に対して"sir″呼びをしている辺りに彼の仕事への向かい方が伝わってきますし、士官候補生達も士気が上がったのではないでしょうか。士官候補生達の先生のような立場であった描かれ方をされたファン創作がありましたが、きっとそういう関係であったのは間違いないでしょう。

そして、亡くなったシーンにも士官候補生達と一緒にいたというのが……。士官候補生達が戦っていたシーンを、チャーリーが身を犠牲にして蟹と相討ちになった場面を怪物のトゲに刺された中でどう見ていたのでしょうか。自分は駄目だけれども彼らだけは何とか助かってほしいと思っていたのかもしれません。彼らがあそこまで戦ったのもきっと、オファレルさんが3人にとって大事な人だったからというのもあったでしょう。まだ若かった筈の彼らに向こうで会ってしまった時の心境を考えると……。

そしてオファレルさん、出身がアイルランドであったにも関わらず反乱には加わっていませんでした。職員だったので声をかけにくかったのもあったかもですが、声をかけられていたとしても士官候補生との関係もあって断っていたでしょう。

天国でも士官候補生達にとっての良い先生であればいいな、と思います。

 

 

14 掌砲長 クリスティアン・ウォルフ

殺人その2の号令″Ready men. Aim. Fire!"が不謹慎ながら様になっている、シルクハットが印象的な方です。

掌砲長という役職は、Bリーグのとある海賊モチーフのチームの応援リーダーが役職として名乗っていたのが気になった事から本編前から知っていました。大砲を打ったりとか号令をかけたりする人です。武器もこの人が管理しています。自分の片手のような物であるので武器に愛着がある人が多いのだとか。それを考えるとあの最期が余計に悲しくなります……。怖かったでしょう、なんて物ではありませんね……。

7章その4で大砲の口を向けられた時、シャーリーが助けに行っていた事を見るに船員から慕われていた上司でもあったのでしょう。慕われていなければ、シャーリーも助けに行っていません。

個人的には、この人が7章その4で亡くなってしまった事により、7章があそこまでの悲劇になってしまったと考えています。ああなっていなければ大砲は倒れずロデリックが死なず、大砲が使えていればピーターが火薬を使うこともなく、大砲でクラーケンにダメージを与えられていれば倒すことは出来ないにせよ弱体化出来ていてマバとアビゲイルさんは死なずに済み、他の7章での行方不明者も何人か助かっていたでしょう。

もしあの大砲を撃つ事が出来ていたのであれば、オブラディン号の未来は違っていたでしょう。決して簡単な事ではないでしょうが、ウォルフさんならばきっとそれが出来た、そう信じています。

 

 

15 掌砲手 オーラス・ヴィアテル

彼は「反乱を企みそれを聞き船長に反乱を伝えようと責務を果たそうとした若い士官候補生を追いかけ後ろから滅多刺しにして殺した」人で、それは許される事ではありません。

ただ、彼の置かれた状況を考えればこの暴走もやむを得なかった、と言ってはあれですがそこに至ったまでの事は理解出来る点もあります。

ヴィアテルさんの出身地ポーランドは本編の8年前、1795年ポーランド分割により消滅しています。調べてみたら彼の生きていた時代、ポーランドも正常が不安定だったようでそれが彼の人生に影響を与えたでしょうし、生きるためにイングランドで船員として働くことを選びここまで来たのでしょう。そう考えれば、生きるために「船を乗っとり気持ち悪い魚と貝を売りさばく」と言った気持ちもわかります。「あの新入りめ……」も、何も知らない若造の癖に、で出た言葉かもしれません。

更に船上でも同じ国籍の人間がおらず、上司はポーランド分割に関わったオーストリア出身(その辺りとヴィアテルさんの方が年上っぽいのとあって、ウォルフさんも関わり方に悩んでいたのかなとも思います。私見ではありますが、甲板組や船医組や船匠組に比べると上司部下感が強く見えます)、船員の中にはこれもポーランド分割に関係しているロシア出身の船員がいて、船の中で本当に信頼できる人がいなかったのではないか、とも考えてしまいますし、更に掌砲長の死で自分が彼の代わりをしなければということでストレスも大きく、それがあの行動に出てしまったも取れます。

上司のウォルフさんがいれば、もしかしたらこの暴走も無かったのかもしれません。天国へ行けるかどうかは個人の解釈による所もあるでしょうが、そちらやあるいは生まれ変わったら信用できる仲間と出会えていればいいな、と思います。

 

 

16 事務長 ダンカン・マッケイ

台詞は全く無く私も見分けたポイントが「いかにも上の役職っぽい服を着ていた」が理由だった印象の薄い人ですが、プレイした人の間では静かな人気の事務長です。

誰かと絡んでいるシーンはあまり無いながらも、7章にて脱出に加わっていたのが何故あの3人だったのかという想像を掻き立てられます。本編にない所で何かしらの関わりがあったのでしょうか。また、顔に傷があるというのも何かの過去があったのでは?とも考えさせてくれて、なかなかに謎の多い人物に思われます。(ファンアートでは猫に引っかかれたとかそういう面白い系のネタにもなっていましたが)台詞がないのが惜しまれますね。

事務長という役職に立てるということは間違いなく頭は良かったのでしょう。ただ、この非常事態ではその頭の良さを活かせなかった人間であるという印象を彼から受けました。とはいえ、彼が特別に弱かったから訳ではないでしょう。船の上に恐ろしい怪物がいてそれで何人かが亡くなっているとなれば事務長のような行動をとる方が普通で、戦えた人は強い勇気を持つ人であると考えられます。

その辺りの生前の性格がほんの些細な場面から読めるというのも、このReturn of the Obra Dinnの面白さであるとも言えます。

先にも書いたネイサンとブースと共に、あちらで仲良くやっていてくれればいいなと思います。

 

17 操舵手 フィンリー・ドルトン

デモ版ではムキムキマッチョだったらしいと噂の操舵手。本編では穏やかそうなおじさんに。彼を特定するポイントが、スケッチで舵を握っていたという点と3章周りでのやり取りのみで、それで……?と思った人もいそうです、

3章で反乱組の襲撃を受けながらも生き残り、自らの命が絶命するまで操舵手としての役割をこなし船を動かしたオブラディン号の隠れた功労者。負傷してでも船を動かそうとするのは仕事であるから当たり前といえば当たり前ですが、それでなかなか出来ることではありません。俺がやらねば誰がやる、そのくらいの気持ちで襲撃されても立ち上がり、船を動かしたのでしょう。その姿があったことを思うと、戦った人達とは別の方向でかっこいいです。彼が襲撃で亡くなっていたらオブラディン号の破滅はもっと早かったかもしれません。

彼の奮闘も虚しく、4人を除いてオブラディン号の乗員乗客は命を落とし、そしてオブラディン号自身も嵐で沈んでしまいました。彼は遠い場所から、彼はどう思いながら沈んだオブラディン号を見ているのでしょうか……。

 

 

以上になります。時間が空いてしまいすみませんでした。次も同じように時間が空く恐れがありますが、また読んでいただければ幸いです。