青への旅路

様々な事を語ったり、ちょっとした旅をしていた記録を残したいと考えて作ったブログです

オブラディン号の乗員乗客について語ってみました Part8 (8of12) 36~40

この記事にはReturn of the Obra Dinnのとても重大なネタバレが含まれます。このページの閲覧は本編をプレイしてクリアしてからを推奨します。

 

動画で見て知っているという方もいらっしゃるでしょうが、動画で見るのとまた違ってくるので是非本編をやってみてください。

 

 

 

 

オブラディン号の乗客乗員を語ってみました、第8回目です。

 

何人かは既に書いていたりするのですが、全員を書いて見たのは初めてです。プレイして数ヶ月思ったことを残しておきたくなったためです。

 

 

 

 

 

 

 

あくまでも私の独断と偏見によるものです。考察内容諸々に関しましては、他の考察を見て納得した物を取り入れそこに更に自分なりに解釈した物を入れたという、ぶっちゃければパクりと取られそうな面もあるのでご了承ください。

 

 

 

 

 

勿論、ネタバレが含まれるので繰り返しますがここから先は本編をクリアしてからの閲覧を強く推奨します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クッションを置きました。ここから先にネタバレが含まれていますので、ご了承ください。

 

 

 

 

 

ここからが本編です。長いので何編かに別れていますし、あまりにも長くなりそうなので立ち位置ごとに分けてみました。

かなり長くなりますが読んでいただければ幸いです。

 

今回取り上げるのは檣楼員の皆様です。人数が多いので檣楼員も前編後編に別れています。

檣楼員は位の高い船員で当時の船乗りの花形だったそうです。ただマストに乗るなどの高所作業があるということで勿論危険も多く故に給与も他の船員より高く、それも本編の損害査定書で書かれています。並外れた覚悟と勇気が必要で、簡単には出来ない仕事であったからこその誇りがあったのだろうと想像できます。

それを考えれば檣楼員の人たちが船の危機に戦ったのも納得できます。

 

 

36 檣楼員 オミッド・グール

上半裸とターバンと独特な形状の剣が特徴の人です。剣は身元判明のため大きな手がかりになっています。休んでいる時もベッドのそばにあったという事は相当大切にしていた筈です。

ターバンを被っているということでインド人ではないのかと思われそうですが、ターバンはイスラム教やシーク教の人が被る物でインドの多くの人はヒンドゥー教であるため彼がインド人ではなく唯一のイスラム圏であるペルシャ出身では、と推測できます。この辺りは実際の知識からも身元を推測することも出来る、オブラディンではよくある話です。そうでなくても先の剣とハンモック番号でも推測できるので、推理ゲームとしてはなかなかよくできてると言えます。

この方の本編での行動を見ると、戦っているか仕事をしているかでよく働いている印象なのですが彼の出身がペルシャであるのを考えると、宗教的な背景や文化の違いがあるにも関わらずオブラディン号のために戦っていたのは仕事の為もあるでしょうがそれだけではない何かが彼の出ていたシーンから伝わってきます。

そんな彼の数少ない休息のシーンが船上の宴での場面なのですが、イスラム教は飲酒が出来ないためこのような場面でもお酒を飲まずに過ごしていたのだろうなと想像できます。飲酒が楽しみだったと言われる船の上で酒を飲めなかったとなると、かなり想像を絶する状況なのが推測でき、その意味でも彼の人間性が見えてきます。

同じ国どころか同じ文化圏の人すらもいなかった船の上で、船上の宴で近くにいてルイス達が仲間になっていた

イスラム教では天国では自由に飲酒が出来る、とあるので、天国で仕事仲間と一緒にお酒を飲んで何の不安もなく過ごしていますように。

 

 

37 檣楼員 ティモシー・ブーテメント

スキンヘッドに刺青で体も大きめで更にいかつい、いかにも船乗りらしい感じの人です。出番はハンモックで寝ているシーンと死亡シーンの2つのみでありながら、ニコルズの反乱を見て見ぬふりをせずに止めていたのを見ると正義感の強い人だったのだなと言うのが伺えます。ここで亡くなっていなかったらその正義感を発揮して怪物達に立ち向かってもしかしたらもう少し生存者はいたのではないか、とも考えさせられます。

また写真のないこの時代に家族の絵を飾っていたように、おそらく奥さんや恋人であっただろう(個人的には彼には相続人がいたのを見ると奥さんかなと思います)人物を刺青として入れて長い航海の心の支えとしていたと同時に、自分に万一の事があった場合に刺青まで入れる程の愛する人の所へ自分の死を伝えられるようにとしていたのかと考えると、最期が船員として反乱を止めようとしたために亡くなった事と、大事な人の所に遺体が帰らなかった事が悲しく思えます。頑張った人がその戦いぶりに報われない死を迎えてしまうのがこの作品であるとは言えども、言えどももう少し何とかならなかったのでしょうか……。

ニコルズの反乱の現場に居合わせ、それをはっきりと止めていたティモシーですが、どうやって他の2人と合流して反乱を止めようとしたのでしょうか。ゲームの目的とは関わらない枝葉の部分ではあるのですが、とても気になります。檣楼員と士官候補生と甲板員とあまり関わりのなさそうな3人なので、3人の誰かが異変に気づいて同じく気がついた同士で合流したという風になるのかと見ています。

勇気のある正義感の強い海の男だったティモシーが刺青にしていた愛する人と天国でまた会えていますように、と願ってやみません。

 

 

38 檣楼員 リ・ハン

多くの人にとって身元判明の大きな壁となった、スキンヘッドの中国人檣楼員達の一人です。私は靴に違いがあるというヒントを見てようやく見分けられました……。

中国人檣楼員について、これは私個人の推測というか憶測なのですが彼らがハンモックの場所が同じ区画で5章6章で仕事を一緒にやっていた以外の行動がばらばらに見える点、船員同士の交友の場と見られる船上の宴にいたのがジャンひとりだった点、中国人の反乱者がホンのみだった点(ある程度交友があれば他に中国人を反乱に引き入れてるでしょう)から中国人檣楼員はひとりの航海士の航海についていって仕事をする航海士付きの船員だったのかなと見ています。見習い航海士的な位置と思われる四等は除いて船員番号順にリが船長付きで、ジャンが一等付き、ホンが二等付き、リーが三等付きだったのかなと想像しています。リとホンとリーは通訳のような事をしていたのも何となくそれっぽく思えてきます。wikiを見たら5章で船長の横でタンとの会話を通訳していたのもリだったのがわかり、個人的には尚更その説で見てしまいます。

彼の死に方は雷に打たれた事で、本編ではこれを越える物がこの後も沢山出てくる為まだましな方にも見えるのですが、考えれば雷に打たれるというのもかなり恐ろしい物です。雷が出てくるというのは天気が荒れるのが見えていた訳でそれでもマストの上に乗っていつものように仕事をしていたのは、仕事とは言えなかなか出来ることではないです。雷に打たれるとかが頭をよぎらなかったわけはなく、それを考えると檣楼員が位の高い船員と扱われるのもわかりますし、彼の死に「職務上の秀でた実績」が付くのも納得です。

中国人檣楼員達はスキンヘッドの中国人船員とまとめられがちですが、それぞれのたどった運命は全く違っているのが興味深いです。私は4人の行動はばらばらだったと書きましたが、もしかしたら描かれていなかった場面で中国人同士が仲良くやっていたのかもしれませんね。

 

 

39 檣楼員 ジャン・ジエ

中国人檣楼員の一人です。彼は船上裁判にはいなかった一方で船上の宴の場面に描かれており、ここでは中国人船員と同じ区画で寝ていたジョージ、黒人船員のハマドゥとブースと共に酒を飲んでいます。ただ酒を飲んでいるだけではなく、床に四角いサイコロのようなものが見えることから憶測ですが賭け事をやっていたのだと思われます。後ろでもカードのギャンブルに講じている一団がいますし、船の上での楽しみのひとつが酒とギャンブルだったのだというのがここから見えてきます。このスケッチに士官クラスの船員の姿がいないのも当然であると同時に、この船上の宴の場面は船員達にとってのハレの場だったのだなと改めて思いました。

話をジャンの事に戻しますが、彼は蟹ライダーとの戦闘でウォレスと共に死亡します。オファレルの早く燃やせ、の発言の後で首を切られているのですが、そこに「著しく勇敢な行動」と査定されているので蟹ライダーに果敢に戦いを挑みその結果亡くなってしまったのではないかと読み取る事ができます。最後まで蟹の爪を剥がそうと足に手を伸ばしていたのが、死亡直前の苦しそうなうめき声と合わせて痛々しいです。

この場面ジャンの方を見てはいませんが一等航海士もいたのを見ると先に書いた航海士について航海する檣楼員だったのでは説が私の中で尚更強くなります。

見たことのない恐ろしい怪物に戦いを挑み船を守ろうとした姿はまさに誇り高き檣楼員のそれでした。向こうでは船上の宴にあるスケッチのように仲間とワイワイやっていればいいな、そんな風に思っています。

 

 

40 檣楼員 ホン・リ

中国人船員の一人で、彼はその中で唯一ニコルズの企てた反乱に乗っています。先に書きましたが、他の中国人に反乱参加を呼び掛けたり、中国人の仲間がいるから反乱には乗らないとかがありそうなのになかったのは、中国人同士は同じ国出身でも仕事以外の場面で繋がりがなかったのでは、と推測している点のひとつになります。

もしくは他の中国人よりもニコルズとの繋がりの方が強かったのではとも考えられます。自白をしなさそうなホクセンが殺人の罪を着せられてしまった理由にホクセンの証言で嘘の翻訳を行ったから、と通説で言われており、そうなるとホンがホクセンの証言をでっち上げた可能性が高くなり、ホンがその行動を取ったのも以前から航海士のニコルズについて航海していたと考えられます。オブラディン号でホンに出会い、そこで引き込んだとすれば位の高い憧れの仕事である檣楼員を捨てて反乱に加わった事になりますが、オブラディン号の檣楼員を見ているとそれぞれ立場の違いはあれど皆仕事に誇りを持ってやっているように見えるので、反乱の話を持ちかけられても簡単に乗らないでしょう。故に以前からニコルズと協力関係にあった立場なのではと見ています。

反乱はうまく行きフォルモサ人とチェストは手に入れましたが、海の上で人魚に見つかり人魚の投げた槍で死亡し、その遺体はニコルズにより海に投げ捨てられます。

いつまでも遺体を積んで航海できないしましてや得体も知れない怪物に襲われているとはいえ、協力者の遺体をあっさり捨てすぎにも思えます。反乱に協力していなければ、ニコルズに出会っていなければホンもまた違った人生を歩んでいたのかもしれません。

それを考えれば、ホンに限らず他の反乱者もある意味ニコルズの被害者とも言えます。ニコルズは本当に色々な人の人生を狂わせた物です。