青への旅路

様々な事を語ったり、ちょっとした旅をしていた記録を残したいと考えて作ったブログです

オブラディン号の乗員乗客について語ってみました Part9 (9of12) 41~45

この記事にはReturn of the Obra Dinnのとても重大なネタバレが含まれます。このページの閲覧は本編をプレイしてクリアしてからを推奨します。

 

動画で見て知っているという方もいらっしゃるでしょうが、動画で見るのとまた違ってくるので是非本編をやってみてください。

 

 

 

 

オブラディン号の乗客乗員を語ってみました、第9回目です。

 

何人かは既に書いていたりするのですが、全員を書いて見たのは初めてです。プレイして数ヶ月思ったことを残しておきたくなったためです。

 

 

 

 

 

 

 

あくまでも私の独断と偏見によるものです。考察内容諸々に関しましては、他の考察を見て納得した物を取り入れそこに更に自分なりに解釈した物を入れたという、ぶっちゃければパクりと取られそうな面もあるのでご了承ください。

 

 

 

 

 

勿論、ネタバレが含まれるので繰り返しますがここから先は本編をクリアしてからの閲覧を強く推奨します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クッションを置きました。ここから先にネタバレが含まれていますので、ご了承ください。

 

 

 

 

 

ここからが本編です。長いので何編かに別れていますし、あまりにも長くなりそうなので立ち位置ごとに分けてみました。

かなり長くなりますが読んでいただければ幸いです。

 

 

今回は檣楼員の後編です。本編の中でも書かれているように、マストの上に乗る位の高い船員です。海洋冒険物によくあるマストの上から「船長!敵です!」と言う人はこの檣楼員で、帆船時代は憧れの花形職だったようです。一方で船の危機の予感を真っ先に見る事も多い上に、高所作業も多いが故の事故の危険性も付きまとい、その度に恐怖を抱いていれば仕事にもならず、恐怖心を捨て勇気を振り絞って日々の仕事をしていたのが見えてきます。並大抵の覚悟がなければ出来ない仕事です。

そこを考えれば、檣楼員達は自分達の檣楼員としての誇りの元で仕事に向き合い戦いそして亡くなったのだと言うのが見えてきます。

 

 

41 檣楼員 リー・ウェイ

中国人檣楼員達はひとつにまとめたかったのですが、人数や番号の割り振り等でリーだけは別になってしまいました。

この方で印象深いシーンは、7章その2で同じ区画にハンモックがあったジョージと食事をしている場面です。リーはこの時点で生きていた唯一の中国人で、同じ国から来た言葉の通じる人間がいなくなってしまったのに思うところはあった筈で、そこを同じ区画で過ごしていたジョージの存在が助けになっていたと想像できます。そうでもなければ、和やかそうに2人で食事を取っていません。反乱や怪物に襲われた後ではありますが生きている訳だしお互い頑張ろうぜなんて話をしていたのかもしれません。

ジョージの死亡シーンにはいませんが、その後にジョージが亡くなった事は勿論他の人から聞いた筈です。その為なのか、7章その7で火薬を持ってクラーケンと戦っていました。ジョージの件もあり、同じ場面で同じ檣楼員のマバも捕まっていたので、直前で火薬による死亡者が出ていても覚悟を決めて、ジョージの仇を取ろうとしたのでしょう。残念ながら結果的にはジョージの後を負う形となってしまいました。天国で「おまえさんの仇を取れなかった、すまねえ……」とジョージに謝りながら、ジョージは「いや、あんたはよく頑張った、それより最後の晩餐の続きでもしようや」とかと話している姿が浮かんできます。

 

 

42 檣楼員 ニコラス・ボッテリル

スケッチでは恰幅の良さそうな感じに描かれている檣楼員です。とはいえ、実はこの人に太ったモデルは使われていない(作者の話では、当時の船員で太った人は殆どいなかったという所から用意していた太ったモデルは甲板長のみに使われることになったそうです)ので、スケッチが割と太めに描きがちだったのかもしれません。

彼に関しては若者説とそうではないのでは?という話がありますが、この船の檣楼員の中では経験の浅い方ではないかという点を考えれば若者説も割と納得できます。と、いうのも蟹の怪物に襲われた場面の直前でロープを上っており、ある程度の経験があればこの辺りで怪物の気配に気づくなり気づいて急いで逃げるなり出来たかもと思っているので。一瞬のことで対応できなかった、とかもあるかもしれませんが。

あともうひとつが、甲板員のネイサンが後のシーンで″ It's already done for Nick!″と彼のことを愛称で呼んでいる点。位の高い檣楼員を甲板員が愛称で呼ぶか、と考えたらもしかしてネイサンと同じかあるいは若かったのでは、と見ています。それにしても、愛称の″Nick″で呼ばれている辺り、仲良かったのかなとか船員の間で愛されていた立場なのかなとも思わせてくれます。

初期設定ではイングランドの島出身(日本で言えば佐渡とか因島とかそんな印象でしょうか)だったそうで、稼ぐために船に乗ってそこから経験を積んで憧れの檣楼員としての仕事をしていた所この件に巻き込まれてしまったと考えると、心に来ます。向こうでもスケッチで一緒にいて仲の良さそうだったルイス達と一緒に船に乗れていますように。

 

 

43 檣楼員 マバ

本編では非常に特徴的な刺青を入れた大男であると同時に、ゲームの序盤船を探索していた所に悲鳴と共にクラーケンに体を真っ二つにされプレイヤーに衝撃を与えました。そして、時間を遡り様々な場面を見ていく中で一生懸命に戦い生きていたその姿に涙する……と、このゲームを象徴すると言ってもよいひとりです。国内海外問わず人気がありますが特に海外の人の人気が高い印象です。自分の仕事に生き最後に戦死した生き方を見ていれば、人気の高さも頷けますね。

彼が遠い南太平洋の国からイングランドに来た経緯に関してですが、損害査定書で彼は「相続人の所在不明」となっていた点と、以前のインタビューで作者のルーカスポープさんが船員が世界中から集められた件についての「航海先からついてきたり、誘拐等で」とも語っていたので、かなり嫌な想像になりますがもしかしたら誘拐されたのではないか、とも見ています。彼は体格が結構いいのも、船員にしようとして誘拐された可能性の裏付けになります。

作者のルーカスポープさんは彼に対して「最も悲惨な運命であった」と語っていますが、マバの死はクラーケンに捕まり生きながら胴体切断、というとてもきついものなのでこれが本編だけの話なのかそれとも背景も含めてなのかはわかりません。しかし、その言葉に背景も含めての意味があるのであれば誘拐説も現実味のある話となります。

ですが、言葉も通じなければ風習も全く異なるイングランドでマバは自分の仕事をしっかりとこなして、恐ろしいクラーケンと戦ってオブラディン号を守ろうとしていました。生活があるとは言え、ここまでの事があれば逃げる手だってあったでしょう。それでも逃げずに檣楼員としての責任を果たしました。

それがあったのも、もしかしたら後のシーンでマバの上半身を運んでいた隣のベッドだったルイスがいたからなのかもしれません。下半身が無くなってしまったマバの遺体を嵐の中で必死に運ぶルイスに、マバとの関係の深さを見ました。2人の見た目から考えるに、イングランドに来たマバに対してルイスが色々と面倒を見ていたのかと想像できます。仕事も教わったりして、ようやくお前も一人前になれて嬉しいよとか会話しながら、日々を過ごしていたんだろうなと思うと心に来る物があります。

勇敢な戦士だったマバが、天国では穏やかに暮らす事が出来ていますように。

 

 

44 檣楼員 ルイス・ウォーカー

序盤から登場していたが故に多くの人の記憶に残り、それでいてなかなか名前が出てこなかったので「いや、あなたの名前は?」と多くの人から突っ込まれていた人です。とは言え、実は彼のハンモックは1807年のオブラディン号に残されているのでその点がわかれば早くから目星がつけられます。残されたハンモックで寝ながら、何を考えていたのでしょうか……。

檣楼員最後の生き残りであり、最後にホスカットと共に船長の元へ向かい船長に殺されていますが、この行動に至った理由が時系列を遡っていくとどんどん明らかになっていきます。

中でも、その決定打となったのが7章のマバの死ではないかと見ています。ルイスとマバはハンモックが隣同士で、もしかしたら仕事を教えるのも含めてマバの面倒を見ていたのかもしれないとマバの所で触れましたが檣楼員仲間の中でも特に関係が深かったと思われるマバがああなってしまえば、ルイスも船長に従うよりは、となるでしょう。ましてや、仲間の船員がこの時点で殆ど無くなっているので尚更です。

7章その8でのルイスがマバの遺体を持っていってどうしようとしたのかは憶測にはなりますが、仲間の遺体が嵐で海の中に放り出されてしまうよりはちゃんと葬ってあげようとしたのではないのか、と見ています。嵐の中でかつまだクラーケンの姿もあったので自分を守る為精一杯な所もあったでしょうに、それよりも大事な仲間、いえもしかしたらそれ以上のものがあったかもしれない立場だったマバの事を最後まで思っていたのがあの行動だとしたら、あの時のルイスの心情は想像を絶する物があったでしょう。

船上の宴のスケッチで、ルイスの近くにいたティモシー、オミッド、ニコラス、そしてマバ。この4人は仲が良かったのではないかと推測されます。そして、自分ひとりが残され4人の想いと共に国へ帰ろうとしたのでしょうか。ルイスの元に4人が現れて、「また一緒に船に乗ろうぜ、ルイス」と呼んでスケッチにあったように、船の上で一生懸命に生きた仲間同士でいつまでも過ごしている事を願います。

 

 

45 檣楼員 レオニード・ボルコフ

体格のよいロシア人檣楼員です。ロシア人の中で唯一の檣楼員で、船上の宴のスケッチと2章その1でカードゲームをやっていた所を見るとギャンブル好きのイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。ちなみに、2章その1のシーンですがある方の呟きでカードを持つ片方手がテーブルの下にあった事からイカサマをしているのでは、という指摘があり見てみたらやはりそうで、「イカサマするなよ」という台詞から察するに日常的にイカサマをしていたかもしれないのが伺えます。

一方で6章その1にてマストのシーンで掛け声をかけていたり、7章で大砲を動かしていたり槍をクラーケンに命中させていたりと意外と仕事熱心な場面も見られます。

この人と言えばやはり、9章にて脱出を手伝っていたポールを刺し殺し船を乗っ取ろうとしていた場面が印象に残っています。もしエミリーの弾が当たっていなければ、あのまま他に船に乗っていた人々もポールと同じ目に遭っていたでしょう。ポールの殺害も含めて極めて自己中心的に見えますが、7章の砲列甲板での惨劇と甲板上での惨劇の両方を目の当たりにしてしまったのであれば自分の生存を真っ先に考えても無理はないです。ギャンブル仲間もいなくなってフラストレーションもあったでしょうし、積もりに積もった物が爆発してしまった結果ああなってしまったと見ています。

6章その1や7章で見せていたような所を最後まで見せる事が出来ていれば、彼自身の運命やオブラディン号の運命もまたいい方に変わっていたのかもしれません。