青への旅路

様々な事を語ったり、ちょっとした旅をしていた記録を残したいと考えて作ったブログです

オブラディン号の乗員乗客について語ってみました(Part5 5of12 23~26)

この記事にはReturn of the Obra Dinnのとても重大なネタバレが含まれます。このページの閲覧は本編をプレイしてクリアしてからを推奨します。

動画で見て知っているという方もいらっしゃるでしょうが、動画で見るのとまた違ってくるので是非本編をやってみてください。

 

 

 

 

 

 

オブラディン号の乗客乗員を語ってみました、第5回目です。

 

何人かは既に書いていたりするのですが、全員を書いて見たのは初めてです。プレイして数ヶ月思ったことを残しておきたくなったためです。

 

あくまでも私の独断と偏見によるものです。考察内容諸々に関しましては、他の考察を見て納得した物を取り入れそこに更に自分なりに解釈した物を入れたという、ぶっちゃければパクりと取られそうな面もあるのでご了承ください。

 

勿論、ネタバレが含まれるので繰り返しますがここから先は本編をクリアしてからの閲覧を強く推奨します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クッションを置きました。ここから先にネタバレが含まれていますので、ご了承ください。

 

 

ここからが本編です。長いので何編かに別れていますし、あまりにも長くなりそうなので立ち位置ごとに分けてみました。

かなり長いですが読んでいただければ幸いです。

 

この章は本編でも謎の多い人達であるフォルモサ王族について語ってみた物です。こちらは、今までの章以上に色々な情報や考察を見て自分なりに考えた推測や憶測が多めです。その解釈は違うのでは、という点も数多く存在するかもしれませんが、ご理解の上ご覧ください。

 

 

23 乗客 リム・ブンラン

本編の謎のひとつである彼女達フォルモサ人達については、かつて実在した反乱者の名前と一致しそしてそれも貝殻が絡んでいた、という考察を見て納得した点と、当時のフォルモサにはかつての王族の末裔がいたというのをwiki(https://w.atwiki.jp/obradinn_chara/sp/pages/27.html)で見たのとで、反乱者の一族やかつての王族の末裔という当時の王朝とは対立関係にあった人達なのではと考えています。それを踏まえると、貝殻を持っていた理由は貝殻の力で当時の王朝を倒そうとしたか、あるいは王朝から命を狙われ(反乱者やかつての王朝関係者を今の王朝は快く思わないでしょう)自分達を守ろうとしたのではと考えています。

それはさておき彼女は数少ない女性でこの船にいた人物です。他のフォルモサ人から「リム様」と呼ばれていたのと乗客名簿から察するに、彼女がフォルモサ人の中で一番地位が高かったと思われます。イトベンが彼女を身を呈して箱を開けて助けようとし、彼女の死体を見たと思われるタンが主犯のニコルズを射殺したのも彼女を強く慕っていたことが伺えますし、一方でホクセンの処刑を心から悲しんでいた点から彼女も他のフォルモサ人達を仲間であり家族のようなものとみていたのでしょう。何よりも、この時期フォルモサから英国に渡るとなると、彼らの正体関係なく危険があったのにそれを顧みず向かったわけです。ましてやこの時期船に乗ることは無かったと言われた女性ですし、年齢もおそらく若かったとなると相当の勇気と覚悟があったでしょう。そこを考えれば、他のフォルモサ人達が彼女を慕うのもわかります。

ある方の考察で、リム様は命を奪った怪物の爪を受けてから死ぬまでの間にタイムラグがあり、亡くなる少し前にイトベンが箱を空け光線が出ていたのを見て「イトベン、あの箱を開けてしまったのね……」と思いながら息絶えたのでは、と見て心に来るものがありました。箱の力を知っていると思われる彼女からすれば、イトベンがどうなったのかも想像できる訳で、最期にイトベンを心配しながら亡くなったのでしょう。イトベンからリム様と同じように、リム様もまたイトベンの事を慕っていたのが伺えます。

4章で反乱者に拉致されてもパニックにならずに適切にホクセンに指示を送っていた所を見ると地位が高い人間として育てられただけでなく、彼女自身もしっかりしていたのでこんなことにならず国に戻れば、優秀な長になれて一族を救えた未来があったのでは?とも考えてしまいます。

 

 

24 乗客 シア・イトベン

先のリム様の付き人的な立ち位置の老人です。恐らくはリム様の身の回りの世話をしていたと思われます。その他に、2章でタンと一緒にリム様がいると思われる部屋の警護をしていたのを見ると用心棒的な位置も兼ねていたのかもしれません。4章でのイトベンを見ていると戦闘できそうな印象もありますし。

その4章でのイトベンの行動は、全てが主であるリム様を救うために動いています。自分を守るよりもリム様を助ける為のアドバイスを送り続け、最期には死を覚悟して主人に支えるのは付き人の立場であれば当たり前では?と思われるかもですが、腕が焼けるくらい熱いにも関わらずそれをやめずに貝殻を取り出そうとしたのは余程の覚悟がないと出来ません。本編には自分の事も顧みずに仲間や大切な人のために動いた人物が複数出てきますが、イトベンもそのひとりとして印象深いのは間違いないでしょう。

ただ、それにも関わらずほんのすれ違いでリム様を救うことは叶いませんでした。イトベンとしては本当に無念だった事でしょう。ニコルズは本当に余計な事をしたものです。

タイミングが早くてイトベンがリム様の拘束を解けていれば全く違った運命となっていたのかもしれません。天国では運命に翻弄されること無くリム様や他の仲間と共に日々を送っていてほしいものです。

 

 

25 乗客 タン・チョウ

二人いる護衛のひとり。全ての元凶を作ったニコルズをその射撃で殺害したのにはオブラディンをプレーした人間のほぼすべてが拍手を送った事でしょう。何も殺すまでしなくてもと思われるかもですが、自分達の仲間と主君を不届き者に浚われ、その上戻ってきた小舟に彼女らの死体があったとわかれば仇を撃つのも当然です。仕事ぶりを近くで見ていた立場としてはホクセンの無実も信じていたでしょうし。生き残ってほしかったと思っている人もいそうですが、タンさんとしては守るべき主君がいなくなって自分が生きていても……と思っていそう。

その反面で、フォルモサ王族で最後に亡くなったタンさんがほぼ何も告げずに死んだ事で闇に消えたままの事実もあるでしょうし、「貝殻を守らなければ我々は死ぬ」とタンが口にしていたが為に貝殻を守ってしまい結果多くの犠牲が出てしまったという一面もあります。生きていて何かを語っていれば(状況が状況なので口を割るとも思えませんが)、ここまでの事にはならなかったかもしれません。

貝殻を人魚に手渡したら怪物は消え去ったので先のタンの言葉と矛盾が生じますが、これに関してはタンの言っている「我々」がオブラディン号の人間ではなく国に残した一族や協力者を指しているのではないかと私は見ています。反乱者か何かであれば国に関係者がいるはずでしょう。そして、4年の月日が流れて国にいた関係者も処刑されたか何かで全滅し、フォルモサ王族4人は損害査定書で「相続人の所在不明」となってしまったと私は見ています。

以前に「オブラディン号の人間に恨みを抱いたタンさんが復讐の為に嘘をついた」という考察を見た時背筋がゾクリとしました。そうであればタンさんは向こうで復讐を成し遂げて計画通りだと笑っていそうです。ただ主君思いのタンさんがそんな悪意のある人と思いたくないので我々が国に残した人達説を取りたいですが……。見張りのタンも貝殻の正体を知らなかったので見張りの仕事として貝殻を守るように言った説もあるのですが、貝殻の存在は口にしていたのでリム様がタンさんに貝殻の事を教えない事があるのだろうか?とも思います。天国や、あるいはどこかで生まれ変わってもきっとリム様を慕って守り続けているでしょう。

 

 

26 乗客 ラウ・ホクセン

二人いる護衛のもうひとり。オブラディンでは様々な形の悲劇が描かれますが、一番理不尽でかつ気の毒な最期を迎えたのはこの人であると考えてよいでしょう。たまたまニコルズが殺人を犯した時に護衛をやっていて、気絶してしまっていた事からうまく罪を着せられてしまった、更に言葉も通じず何が起こっているのかもわからず自分の主張もうまくできなかった、本当に運が悪いとしかいいようがありません。

この点、通訳をやった中国人が嘘を翻訳した(と、なるとこの説の場合通訳したのはニコルズと共に逃げたホン・リと思われます。他の人ならば流石に罪悪感はあるでしょうし普通に考えればばれないようにニコルズと逃げます。嘘をついて船に居続けたとしたら相当神経図太いのでは)説や、無実を伝えたけれどもそれならば代わりにリム様に殺人の責任を取ってもらうと言われ自分が罪を背負った説等があります。オブラディン号の有名な二次創作の中ではパスクアの死に自分の責任があるか、と誘導するかのように尋ねられそれに護衛の責任としてはいと答えた、とも書かれていました。個人的には嘘を翻訳された説が有力だと見ていますが、リム様の名前を出され処刑を受け入れたというのもありそうに思えます。

言葉の通じない外国で濡れ衣を着せられ、わかってもらえないまま処刑が決まるというのは相当大変な思いだったでしょうし、辛かったでしょう。最期の瞬間までリム様の無事を願っていたのかもしれないと考えると、胸が痛くなりますしリム様も最後までホクセンの無実を信じていたのに手遅れで殺されてしまった、というのは……。手遅れです、というイトベンの言い回しからすると、処刑の時に全てがリム様に伝えられたという形だったのでしょう。リム様の悲痛な叫びが刺さります。

同じ目的の元で船に乗り合わせ、長い旅の中で家族以上の絆を持っていたであろうフォルモサ王族の4人。もしも現代に生まれ変われたのであれば、今度は危険な旅ではなくクルーズ船に乗って長い旅を楽しんでいてほしいです。